HEAD MUSIC
1999年発表のSUEDEの4thアルバム、"HEADMUSIC"。この前の3rdアルバム、
"coming・up"では管弦楽器やオーケストラなど使われていました。この時くらいのUK・
ROCKではオーケストラの音を入れくるのはごく普通のこと。だから、別になんとも思わ
ず聴いていました。
一方、このアルバム、"HEADMUSIC"からデジタルの音が入っていました。この時代
ではまだ、そんなにデジタル音を入れくるバンドというのは数少なかった時代。打ち込み
くらいの音を入れてくるバンドは居たかもしれません。がしかし、新しい音楽、音の取り組
みをし出したSUEDE。
RADIOHEADもまだ、デジタル音は使ってなかった時でした。デジタル音を使っている
とむしろ、手抜きをしたと批判される時代でした。とは言え、デジタル音楽で評価される
バンドも出現しだした時代でもありました。CHEMICAL・BROTHERSが台頭し出した。
そして、PRIMAL・SCREAMの"screamadelica"からは何年か経った年。
まだ、そんなにデジタル音に着目はしなかった時にSUEDEはこの作品でもうデジタル
音を取り入れた作品。こんな時にすぐに取り入れたSUEDEはすばらしいと言えましょ
う。そんな新しい音も取り入れながら、SUEDEらしい妖艶な音を基調に、聴きやすいポ
ップな感じの曲にデジタル音が加わった作品、"HEADMUSIC"。
曲 HEAD MUSIC
1.electricity
これまでとは違うSUEDEの曲。これまでのSUEDEの曲の中でベースをここまで強調した曲はなかったと思います。 そして、曲自体もこれまでのSUEDEとは違った新鮮な感じがします。やはりクォリティの高さは健在です。
2.savoir faire
やはり何かあったのだろうかと思うような曲。曲自体はゆっくりとした曲。これまでの「妖艶」とか「甘い」とか という雰囲気とは違って、どこか、かわいい曲。
3.can't get enough
SUEDEらしい曲ですが、以前の緊張感のある雰囲気がなぜか無い曲。それは悪い意味でなく、 聴く方も気を抜いて聴ける曲です。きっとギターが抑えてるという感じだからのように思えます。
4.everything will flow
これまでによくあったSUEDEのバラードの曲。SUEDEは以前から感情的に歌いあげるバラードも良い曲が多い。 これもそんなSUEDEの得意とするバラード曲です。
5.down
少しデジタル加工の入った音で始まる曲。優しく、やわらかい感じのする曲。こんな曲は以前にもありましたが デジタル音が入るだけでこんなに変わるので不思議な感じです。ギターのエフェクターをこれまでとは変えた程度かもしれませんが・・・
6.she's in fashion
やっぱりこのアルバムのSUEDEはどこか違う。曲から優しさを感じてしまう。曲から柔らかさを感じてしまう。
7.asbestos
始まりからの乾いたようなアナログ感のあるドラムの音が惹かれてしまう曲。 どことなく冷たく喪失感のある曲。落ちていくような感じの曲です。
8.head music
アルバムタイトルになってるだけあって良い曲です。ほどよくデジタル音が入ってる感じがとても良い曲。
9.elefant man
やっぱり、以前のSUEDEにはこんな曲はなかった。こんな元気のあって、楽しくなるような曲はありませんでした。
10.hi-fi
"hi-fi"というタイトル通り、そんな音が再現されてる曲。オーソドックスなUK・ロックをしながらも 新しいデジタル音を入れてくるところが凄い。グランジとは違ったひずみの音が入っている曲です。とても幻想的な曲です。
11.indian strings
これもまた、これまでのSUEDEとは違った曲。野性的な雰囲気のある<曲。でも、悲しい感じの曲。 激しい演奏が無ければ、暗い曲になっていたはずです。
12.he's gone
ゆっくりとした、やわらかい音のイントロで始まる曲。感情的なバラードです。語りかけてくるような、 訴えかけてくるような曲。映画のエンディングで使われそうな曲です。
13.crack in the union jack
ラストの曲はアコースティック。最後にはふさわしい曲ですが、SUEDEでは想像もしなかった曲。 やっぱりギラギラしたロックをしてるイメージなのですが、アコースティックも良い曲を作るSUEDE。