12 Memories
2003年、4thアルバム"12Memories"。驚くほど音楽を変えてきたと思ったのですが、
これはフランシス・ヒーリィーの心境で音楽が変わったようです。以前のTRAVISとはテイ
ストが全然違うと感じました。以前は甘い、優しい感じをどこか感じたのですが、このア
ルバムでは苦い感じのするようなテイストに変わっていました。
これまでTRAVISがやってきた音楽から変えたいと成長したとも思えますが、歌詞に戦
争のことについて書かれています。その象徴的な曲が"Beautiful・Occupation"です。「美
しい占拠なら自然になるはず」という。これが発表されたのは2003年、アフガン戦争が
その少し前だったはずです。きっとそのことを唄っているのでしょう。
ヒーリィーはこのことを無視できなかったようです。このアルバムの中にはそんな戦争
について唄われてる曲もあり、また他にも社会の問題などを唄った社会派ソングなども
あり、以前とは全く違っていいというほど、曲や詩が変わりました。洋楽特有のパンクに
由来した一面です。こういう内容は難しく、また音楽も暗い音に変わっていきました。
しかし、この作品の完成度はとても高く、以前のものよりかなりまとまったよく出来た音
に仕上がった曲がほとんどです。一瞬TRAVISの新しい挑戦のようにも感じます。ネオア
コースティックと言われてきたTRAVISがここでの音はグランジロックがかなり入れてきて
います。ネオアコにグランジが入ってきた感じの小さく新しい音楽になりました。
曲 12 Memories
1.Quicksand
これまでのTRAVISとは違い暗い曲です。チェロがところどころ入ってきて、チェロのソロがかっこいい曲。 良い曲です。
2.The Beautiful Occupation
前の曲から受け継いだようなプログレのような曲。メロディは1曲目の"Quicksand"と似ています。 悲痛を訴えてるようなボーカル。激しいギターがさらに表現します。良い曲です。
3.Re-Offender
やはり暗いイントロから始まる曲。訴えかけるようにヒーリィが唄っています。全体的に暗いメロディの曲。 ギターも激しいながらも暗い感じです。良い曲です。
4.Peace The Fuck Out
こんな曲を普通に作ると本当はメルヘンチックな曲になると思うのですがこの時のTRAVIS、フランシス・ヒーリィは明るくなれない心境のよう です。ギターもかなりひずまして激しさを表現しています。良い曲です。
5.How Many Hearts
きれいなアコースティックのギターストロークから始まる曲。TRAVISらしいきれいな曲。この感じだったら以前のTRAVISらしい曲。 良い曲です。
6.Paperclips
凄い暗い曲。中だるみ?休憩といった曲です。アルバムの構成上必要な感じの曲。
7.Somewhere Else
前の暗い曲から明けたような曲。明るいギターやピアノの音の中にも暗さを感じる曲。良い曲です。
8.Love Will Come Through
12弦ギターでしょうか。旋律の素晴らしい曲です。
9.Mid-Life Krysis
唄ってる内容はタイトルそのままです。フォークソングのようなシンプルな曲。
10.Happy To Hang Around
ベースとドラムで凄い暗い暗さを表現しています。後半にハードな音の
ギターソロがあります。良い曲です。
11.Walking Down The Hill
デジタル加工の曲。TRAVISもデジタルロックへの傾倒を感じさせる一曲です。良い曲です。 これから以下の曲は11曲目に入っています。フランシス・ヒーリィーの意向です。
12.Some Sad Song
ボーナストラック。凄い綺麗なピアノ曲。良い曲です。
13.Definition Of Wrong
ボーナストラック。UKらしいアップテンポの曲。TRAVISはあんまりこんな曲は見せない感じの曲。 BLURが作りそうな曲。良い曲です。
14.12th Memories
ボーナストラック。インスト曲。幻想的な感じの曲。